緑内障は早期発見が9割。40代から始めたい視野を守る習慣
自覚症状が出にくい緑内障。定期検診で大切な視野を守りましょう。

この記事の目次
- 1.緑内障はなぜ怖いのか
- 2.40代からリスクが上がる
- 3.自覚症状が出にくい理由
- 4.検査で分かること
- 5.点眼治療のコツ
- 6.予防と生活習慣
- 7.まとめ
SUMMARY
緑内障は40歳以上の20人に1人が発症し、日本人の中途失明原因第1位の目の病気です。初期にはほとんど自覚症状がなく、気づいたときには進行していることが多いため、40歳を過ぎたら一度は眼科検診を受けることが極めて重要です。現代ではOCT・視野計による精密検査で早期発見が可能。点眼治療を継続することで、多くの方が生涯にわたって視野を保てます。
緑内障はなぜ怖いのか
緑内障は、目の奥にある視神経が徐々に障害され、視野(見える範囲)が少しずつ欠けていく病気です。日本の疫学調査では、40歳以上の有病率は約5.0%(20人に1人)。進行すると失明に至ることもあり、日本における中途失明の原因として最も多い疾患です。
40代からリスクが上がる
40代を境に緑内障の有病率が急上昇します。年代別の有病率は次のとおりです。
- 40代:約2.2%(50人に1人)
- 50代:約2.9%
- 60代:約6.3%
- 70代:約9.3%(10人に1人)
- 80代以上:約13.1%
出典:日本緑内障学会 多治見スタディ(2000-2001)より。
自覚症状が出にくい理由
緑内障は初期・中期まで自覚症状がほとんどありません。その理由は、両眼で視野を補い合っているため、片方の視野が欠けていても、もう片方が補うため気づきにくいためです。気づいた時には視野の3〜5割が失われていることも珍しくありません。一度失った視野は二度と戻りません。
検査で分かること
当院では次のような精密検査で、自覚症状が出る前の変化を捉えます。
- 眼圧検査:基本の指標(日本人は正常眼圧でも緑内障になるタイプが多い)
- 3D OCT:視神経線維層・神経節細胞の厚さを数値化し、経年変化を追う
- 視野検査(ハンフリー):視野の欠損を高精度に検出
- 眼底検査:視神経乳頭の陥凹の評価
- 隅角検査:閉塞隅角緑内障の鑑別
点眼治療のコツ
緑内障治療の基本は、眼圧を下げる点眼薬です。治療を継続することが視野を守る最大のポイントですが、自覚症状がないため継続が難しい方も少なくありません。次のコツを参考にしてください。
- 毎日同じ時間に点眼する(朝の歯磨きとセット、就寝前など)
- 点眼後は1〜2分目を閉じて、目頭を軽く押さえる(吸収率UP)
- 複数の点眼薬は5分以上あける
- 出かける前にボトルを持参(忘れ防止)
- 1か月に1回は薬局で薬を補充する習慣を
予防と生活習慣
確立した「予防法」はありませんが、以下の生活習慣が緑内障進行予防に役立つとされています。
- 40代以降は2年に1回の眼科検診(OCT・視野検査を含む)
- 喫煙・過度の飲酒を避ける
- 有酸素運動(ウォーキング・水泳)を習慣化
- 長時間のうつむき姿勢を避ける
- 高血圧・糖尿病など全身疾患の管理
- 十分な睡眠とストレス管理
まとめ
緑内障は早期発見・早期治療が9割を決める病気です。40歳を過ぎたら一度、家族に緑内障の方がいる場合はそれよりも早く、眼科での精密検査を受けることを強くおすすめします。「最近、目のかすみがある」「健康診断で眼圧を指摘された」など気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事のポイント
- 緑内障は40歳以上の20人に1人が発症する
- 初期には自覚症状がほとんどなく、検査での発見が必須
- 一度失った視野は戻らないため、予防的検査が何より大切
- 点眼の継続が視野を守る最大のポイント
SUPERVISOR
もざわ眼科 院長 茂澤 克己(眼科専門医・医学博士)
眼科専門医・医学博士。地域のかかりつけ眼科として、丁寧な診療を大切にしています。
