白内障かな?と思ったら。早めの受診が鍵になる理由を眼科専門医が解説
加齢とともに進む白内障。見え方の変化と、手術のタイミングについて解説します。

この記事の目次
- 1.白内障とは
- 2.初期症状チェック
- 3.進行するとどうなるか
- 4.検査でわかること
- 5.手術のタイミング
- 6.単焦点?多焦点?
- 7.まとめ
SUMMARY
白内障は水晶体が徐々に濁って視力が低下する、加齢に伴う代表的な目の疾患です。60代で約70%、80代ではほぼ全員に何らかの変化が見られますが、進行がゆっくりなため自覚しにくいのが特徴。メガネを替えても見えない・夜間のまぶしさが強い・見え方が白っぽいといった症状があれば、一度眼科での検査をおすすめします。
白内障とは
白内障は、目の中でレンズの役割を果たしている「水晶体」が濁ってしまう病気です。若いころは透明だった水晶体が、加齢や紫外線・全身疾患などの影響で少しずつ白く・黄色く変化していきます。日本では60代の約70%、70代で約90%、80代ではほぼ全員に何らかの白内障の所見が認められるとされています。
初期症状チェック
次のような変化が最近気になる方は、白内障が始まっている可能性があります。
- 視界が霧がかかったように白っぽい
- 光がまぶしい、ヘッドライトが眩しく感じる
- メガネを新しくしても見えにくさが改善しない
- 夜間の運転が不安・対向車のライトがまぶしくて見えづらい
- 色の見え方が黄色っぽい・くすんだ印象
- 人の顔・表情が判別しづらい
- ものが二重・三重にぼやけて見える
進行するとどうなるか
白内障は急激に進行することは稀ですが、放置すると視力は徐々に低下していきます。最終的には矯正視力が0.1以下になることもあり、運転や読書が難しくなります。また、進行した白内障は水晶体が硬くなり、手術の難易度も上がります。早期に発見し、見え方の変化を記録しておくことが、最適なタイミングでの治療につながります。
検査でわかること
当院では次のような検査で白内障の有無と進行度合いを評価します。
- 視力検査(遠見・近見)で現在の見え方を測定
- 細隙灯顕微鏡検査で水晶体の濁り方を直接確認
- 眼圧検査・眼底検査で他の疾患の有無をチェック
- 3D OCTで網膜の状態を確認(術前術後の経過評価にも重要)
手術のタイミング
白内障手術の一般的な目安は「日常生活に支障が出てきたと感じたとき」です。具体的には以下のような場面で不便を感じたら、一度ご相談ください。
- 運転時のライトがまぶしくて怖い
- 新聞・本・スマホが読みづらい
- 趣味(手芸・スポーツ観戦など)に支障が出てきた
- 仕事でPC画面が見づらい
- 家事(料理・掃除)で細かいものが見えにくい
※ 進行しすぎると手術の難易度が上がります。日常で「おや?」と思った段階で受診いただくのが理想です。
単焦点?多焦点?眼内レンズの選択
現代の白内障手術では、濁った水晶体を取り除いた後、人工の眼内レンズを挿入します。レンズには大きく2種類あります。 ・単焦点レンズ(保険適用):遠くまたは近くのどちらかにピントが合うレンズ。経済的で見え方もクリア。メガネとの併用が前提となります。 ・多焦点レンズ(選定療養):遠くと近く、あるいは遠・中・近の複数距離にピントが合うレンズ。メガネへの依存が減りますが、費用は自費分(片眼20〜40万円程度)が発生します。 当院では患者さまのお仕事・趣味・運転の有無などを詳しくうかがった上で、最適なレンズをご提案しています。
まとめ
白内障は誰にでも起こりうる加齢変化ですが、手術で確実に視機能を回復できる代表的な疾患です。「最近見えにくい」と感じたら、我慢せず一度眼科で検査を受けてみてください。早めの受診が、ご自身に最適な治療タイミング・レンズ選択につながります。
この記事のポイント
- 白内障は60代で70%、80代ではほぼ全員に見られる加齢変化
- メガネを変えても改善しない見えにくさは受診のサイン
- 進行前の早めの受診が、最適な治療選択につながる
- 単焦点・多焦点レンズはライフスタイルに合わせて選ぶ
SUPERVISOR
もざわ眼科 院長 茂澤 克己(眼科専門医・医学博士)
眼科専門医・医学博士。地域のかかりつけ眼科として、丁寧な診療を大切にしています。
