飛蚊症で受診したほうがよい症状とは?緊急性のあるサインを眼科医が解説
視界の黒い点や光が見える症状。注意したいサインをまとめました。

この記事の目次
- 1.飛蚊症とは
- 2.生理的飛蚊症と病的飛蚊症
- 3.すぐに受診すべき警告サイン
- 4.散瞳検査で分かること
- 5.強度近視の方は特に注意
- 6.予防と日常ケア
- 7.まとめ
SUMMARY
飛蚊症の多くは加齢による生理的な変化で心配ないものですが、中には網膜剥離・網膜裂孔など失明の恐れがある疾患が隠れていることがあります。「急に増えた」「光が走る」「視野の一部が欠ける」といった症状が1つでもあれば、その日のうちに眼科を受診してください。初回は必ず散瞳検査で眼底全体を確認することが大切です。
飛蚊症とは
飛蚊症(ひぶんしょう)は、視界に黒い点・糸くず・虫・ゴミのようなものが動いて見える現象です。明るい場所や白い壁を見たときに特に目立つのが特徴で、視線を動かすと一緒にふわふわと動きます。多くの場合、目の中の「硝子体」という透明なゼリー状の組織に濁りが生じ、その影が網膜に映ることで見えています。
生理的飛蚊症と病的飛蚊症
飛蚊症には、心配のないタイプと、緊急性の高いタイプがあります。
- 生理的飛蚊症:加齢で硝子体が縮む自然な変化。50代以降に多い。多くは治療不要
- 後部硝子体剥離:硝子体が網膜から離れる現象。大半は問題ないが、網膜裂孔を伴うことも
- 網膜裂孔:網膜に穴が開いた状態。放置すると網膜剥離に進むため、レーザーで予防治療が必要
- 網膜剥離:網膜が剥がれた状態。失明の可能性があり、緊急手術が必要
- 硝子体出血:糖尿病網膜症などで出血し、飛蚊症や視力低下を起こす
すぐに受診すべき警告サイン
次のいずれかが当てはまる場合は、その日のうちに眼科を受診してください。
- 【緊急】急に飛蚊の数が増えた(数十〜数百に)
- 【緊急】視界に光が走る・稲妻のように見える(光視症)
- 【緊急】視野の一部が黒くなる・カーテンが下りたように見える
- 急にぼやける・視力が落ちた
- 頭部や目を強く打った直後に飛蚊症が出た
- 強度近視でいつもと違う症状がある
※ 網膜裂孔は数時間〜数日のうちに剥離に進展することがあります。受診のタイミングが視力を大きく左右します。
散瞳検査で分かること
飛蚊症の初診では、瞳孔を広げる点眼(散瞳)を使った眼底検査が必須です。眼底全体を詳しく観察することで、網膜の端にある小さな裂孔まで発見できます。検査後4〜5時間はまぶしさ・近くが見えづらくなるため、当日の自動車・バイク・自転車の運転は控えてください。
強度近視の方は特に注意
近視が強い方(-6D以上)は、眼球が長く変形しており、網膜が薄く伸びているため、網膜裂孔・網膜剥離のリスクが一般の方より高くなります。次のような方は特に定期的な眼底検査を受けることをおすすめします。
- 強度近視の方(-6D以上)
- 過去に網膜裂孔・剥離の治療歴がある方
- 家族に網膜剥離の方がいる
- 目の手術歴・外傷歴がある方
予防と日常ケア
生理的飛蚊症を完全に予防することは難しいですが、網膜裂孔・剥離の発症を減らす工夫はできます。
- 50代以降は1〜2年に1回の眼底検査
- 強度近視の方は半年〜1年に1回の検査
- 目を強く打つ可能性のあるスポーツでは保護メガネを
- 糖尿病・高血圧など全身疾患の管理
- コンタクトレンズのトラブルは放置しない
まとめ
飛蚊症の多くは心配のない生理的なものですが、網膜裂孔・剥離が隠れていることもあります。「初めての飛蚊症」「急に増えた」「光が走る」「視野が欠ける」のいずれかがあれば、様子を見ずに眼科を受診してください。早期発見・早期治療が視力を守る鍵です。
この記事のポイント
- 飛蚊症の多くは心配ないが、網膜裂孔・剥離が隠れていることもある
- 急増・光視症・視野欠損は即受診のサイン
- 初回は必ず散瞳検査で眼底全体を確認する
- 強度近視の方は定期検査でリスクを管理する
SUPERVISOR
もざわ眼科 院長 茂澤 克己(眼科専門医・医学博士)
眼科専門医・医学博士。地域のかかりつけ眼科として、丁寧な診療を大切にしています。
